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7巻「江東の波乱」のあらすじと感想

7巻「江東の波乱」のあらすじと感想

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孫堅立つ

○あらすじ
公孫瓚と袁紹との戦いは終わった。公孫瓚の働きによって、劉備は平原の相に任命された。

袁紹の弟である袁術は兄が恩賞をよこさず、また荊州の劉表が兵糧を援助しなかったことに腹を立て、一計を案じた。

○感想
関羽、張飛と共に国のために戦ってきた劉備ですが、まったく評価されませんでした。しかし、公孫瓚の配慮により、やっと出世できました。

こういう優しい人物が三国志にはあまり登場しませんね。やはり血で血を洗う戦国の世が舞台だからでしょうか。

もっとも、公孫瓚も人物の器は大きくなかったようで、彼の部下である趙雲(字は子龍)も彼を見限っているようです。

12ページ、関羽と張飛のみごとな飲みっぷりには驚きます。

14ページ1コマ目、確かに劉備が張飛のように飲んだら笑えます。

18ページ、袁術の小人物ぶりがはやくも明らかに。三国志には自分の保身しか考えないつまらない人物がけっこう登場しますが、その筆頭ともいえるのがこの袁術です。

まあこういうキャラクターのほうが人間臭くてリアルなんですが。

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荊州攻略

孫堅は劉表を倒すために兵を挙げた。迎え撃つは江夏の黄祖。

黄祖軍の守りは固く、両軍は弓矢による激しい応酬を続ける。しかしこのままでは攻める孫堅側の不利だ。

そこで孫堅はある作戦を立てた。

さすが孫堅と思わせる見事な作戦でした。

55ページ4コマ目、右から二人目の兵士は仲間が矢にやられているのに不敵な面構えです。よい武将になるかもしれません。


凶兆

黄祖は敗れ、孫堅軍は劉表のもとに迫っていた。しかし、強風により将旗が折れ、また夜空には不吉な流れ星が現れた。

それを見て自重を促す部下に対し、迷信だと孫堅は笑い飛ばすが。

私は占いとか占星術とかは全く信じませんが、三国志には度々登場します。なにしろ今に比べれば科学が断然発達していなかった時代ですし。

しかし、それだけに不吉な事象が将兵の士気に与える影響も大きかったのでしょう。それを退けた孫堅は偉いと思うのですが。

ちなみに横山三国志の原作は国民作家・吉川英治の三国志です。

そして吉川三国志は羅貫中の三国志演義に、史実なども加えて書かれたものです。

その際に、吉川先生は三国志演義に多く登場する占いや幽霊、たたりといった話をだいぶ削ったそうです。近代の科学全盛の時代に、確かにこれらの迷信的な話はあまりそぐいません。

90ページ、襄陽城と睨み合う両軍が迫力満点に描かれています。橋の上にあるのは逆茂木のようなものでしょうか。

103ページ、袁術にしてはみごとな作戦です。

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王允のたくらみ

都・長安では董卓の栄華が極みに達していた。豪華な城をつくらせ、たくさんの美女を後宮にはべらせていた。

一方、国を憂うのは国老である王允であった。その心中を察していたのが、王允に仕える美しい娘、貂蝉(ちょうせん)であった。

いよいよ登場しました。おそらく三国志随一の美女、貂蝉です。彼女一人のために歴史が大きく動くのですから、とても興味深いです。

でも、いくら恩義に感じたとはいえ、王允のために一身を投げ出すとはかわいそうですね。美女なだけに幸せな一生を終えることもできたでしょうに。

114ページ1コマ目、金で飾られた建物がリアルに描かれています。

115ページ、私もこんな後宮が欲しいです(笑)。でも末代まで暴君として語り継がれるのはいやだなあ。

123ページ、さすがにこんな料理は食べたくないですね…。昔は野蛮だ。そしてそれを前にして料理を食べるのもいやですね。

149ページ、貂蝉の心中を想像するととても悲しい気持ちになります。


亀裂

貂蝉の美しさに驚いた董卓は、王允にすすめられて彼女を連れて帰る。

それを聞いた呂布は怒り狂い、王允を問い詰めるが、王允は董卓が呂布をからかうためなのだと告げる。

呂布は董卓の真意を知って喜んで帰るが…。

王允もなかなかの策士ですね。そしてそれにまんまと乗せられる董卓と呂布。二人とも単純だ。

それにしても時の権力者をこれほど魅了するとは、私も貂蝉を一目見たいものです。

「傾国の美女」という言葉があります。国を傾かせるほど美しい女性という意味ですが、貂蝉もまさにそれですね。

155ページ、涙を流す王允が印象的です。国を救い、王允の恩に報いるために身を捨てた貂蝉のことを思ったからでしょう。

166ページ、呂布にこてんぱにされる男。とんだとばっちりでかわいそうです。おまけに天下無双の呂布にやられるのでは。


絶えいの会

貂蝉のたくらみにまんまと乗せられた呂布は、彼女に言い寄っているところを董卓に見られてしまう。

怒りのあまり呂布を打ち首にすることを命ずる董卓だが、李儒が諌める。

李儒は、楚国の荘王の「絶えいの会」を引き合いに出して、怒りを鎮めるように進言するのであった。

この李儒が説く会についてのエピソードはとても印象的です。王たるもの、これくらいの度量がほしいものです。

それにしても董卓が意外と素直に李儒の言葉を聞くんですね。この素直さが董卓の唯一の長所だったのかもしれません。

190ページ、呂布に董卓が剣でかなうわけもありません(笑)。

205ページ、人知れず悩む貂蝉。コマの構図といいとても彼女の心情が表れています。せっかくの計略が意外な董卓の素直さによってぶちこわしになりそうだから悩んでいるのです。
7巻のネタバレ有りレビュー

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