三国志ラボ » コミック1-30巻のあらすじと感想 »

9巻「曹操の台頭」のあらすじと感想

9巻「曹操の台頭」のあらすじと感想

スポンサード リンク

Pocket

イナゴ

○あらすじ
呂布と曹操の争う山東の地に、恐ろしいものが襲来した。いなごの群れだ。人々の食べ物を片っ端から食い尽くすこの虫のために、両軍も戦いをやめざるをえなかった。

食料に困った曹操は、部下の進言に従って、汝南(じょなん)の黄巾賊掃討に向かうことにする。賊の食べ物を奪い、あわせて朝廷の評価も得られるという一石二鳥の策だからだ。

黄巾賊たちと戦う曹操軍の前に、謎の男が現れ、典韋と互角の戦いを演じる。

○感想
今の日本はありがたいことに食べ物で溢れていますが、昔は日本でも中国でも、飢饉やいなごはほんとうに恐ろしいものだったでしょう。

コーエーのゲーム、三国志3などでも、いなごが発生すると貯めこんだ食料が激減してがっかりします。

8ページ、イナゴの襲来を知った農民たちの恐怖と落胆はいかばかりのものだったでしょうか。

39ページ、後の天下の猛将を袋叩きにする兵士たち。相手が強いので気持ちはよくわかります。

スポンサード リンク


逆境の流軍

曹操は呂布配下の薛蘭(せつらん)と李封(りほう)の守る城が攻めやすいことを知り、一気に進撃する。

許褚の活躍で2将を討ち取った曹操軍は、勢いに乗って呂布のいるぼく陽を目指す。

曹操の偉いところは、部下の善言を聞き入れるだけの度量があるところです。これが呂布との違いです。

48ページ5コマ目、戦乱の世にこうなると人間は終わりです。

55ページ、たやすく敵将を討ち取る許ちょ。

71ページ、呂布がどれだけ強いかがよくわかります。

95ページ、呂布を温かく迎え入れる劉備。ですが結果から言えば関羽や張飛の考えが正しかったです。まあこの人の良さが劉備の魅力なんですが。


長安脱出

董卓の部下であった李かくと郭しは、飢饉などに苦しむ民のことなど考えずに、醜い権力争いを繰り広げていた。

献帝は隙を見て長安から逃げ出すが、李かくと郭しに追われてしまう。

董承(とうじょう)の機転で財宝をばらまき、追っ手を混乱させるものの、水際にまで追い詰められてしまう。

それにしても三国志には欲にまみれた権力者が多いですね。董卓がいなくなったと思ったら、彼の部下ですか。

しかし、李かくたちも以前に呂布軍に攻められた時、郊外の山間地に陣を築いて呂布を引きつけ、その隙に長安を攻めとるという巧みな戦いをしていました。

あのとき呂布は主力を長安の守りにつかせていれば、今ごろ長安の主だったかもしれませんね。

122ページ、蝿のたかる腐った食べ物を帝に出す李かく。そのくせ131ページでは自分は美味しい物を食べています。

133ページ1コマ目、これは笑えるシーンです。147ページ、私が兵士ならもちろん財宝を拾います。たくさん拾って逃げれば遊んで暮らせます。

スポンサード リンク


廃虚洛陽

献帝一行は、かつての都、洛陽に入った。しかしそこは、董卓が焼き払ったために廃墟と化していた。

一方、夜空を見上げる曹操。彼のもとに、都から勅使が到着したという知らせが入る。曹操にはこの勅使が来ることがわかっていた。

帝が洛陽にいることを知った李かくと郭しは手を握り、帝を奪わんと押し寄せてきた。董承の進言で城外に逃げる帝。

その前に、多数の兵士が出現した。

国の首都を、いとも簡単に焼き払ってしまったのですから、董卓という人物がいかに民のことを考えていなかったかがよくわかります。

また、そのような人物に翻弄された献帝はとても悔しかったでしょうね。

一方、さらに高みを目指す曹操にとっては大きなチャンスが巡って来ました。

168ページ、かつての都とは思えない荒れ果てぶり。

173ページ、曹操の名言「この偉大な天と地の間に生まれ男たるもの 生きがいのある生命をつかまないでどうする」


土性の地

先の大軍が曹操軍だとわかったので、李かく達は懲りずに再び戦を仕掛ける。しかし結果は惨敗であった。

戦勝の宴が催され、許ちょは曹操から剣を賜る。

曹操は天文官の言葉を聞き、荒廃した洛陽から許昌に遷都するように帝に上申する。

部下の善言を聞かずに、おまけに彼を殺して無謀な戦いを仕掛ける李かくたち。とうてい将の器ではありません。こんな上司についたら大変です。

都の方角が土、曹操の家も土というのは陰陽五行説でしょう。この頃はまだ科学が発展しておらず、五行説がかなり重要だったのだと思います。

帝は洛陽を離れたくなかったのですが、曹操以外に頼る人物もおらず、許昌に遷都します。
9巻のネタバレ有りレビュー

Pocket