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58巻のネタバレ有りレビュー

58巻のネタバレ有りレビュー

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近くにコロ谷という場所を見つけた孔明。中は広く、完全に崖で覆われています。早速孔明はここを作業場にします。

大工を入れて何かを作らせ、入り口は馬岱に固く守らせます。

楊儀は剣閣から兵糧を持ってくるのが困難だと相談しますが、孔明は彼に作業場を見せます。そこには木製の一輪車、「木牛流馬」がありました。

これなら牛や馬がいらないので、そのための畜舎などもいらず、病気の心配もないというわけです。さらに、一輪なので蜀の狭い道でも通れるというわけです。またまた恐れ入りました。

孔明の発明品と言われる物は多く、動物の鳴き声のする時計などそれは嘘だろうというものも多いのですが、この木牛流馬はリアリティーがあります。

兵糧を簡単に運搬できるようになれば、兵糧切れを狙う司馬懿の戦略は根本からくつがえります。


動かぬ牛

司馬懿は木牛流馬の複製を自軍でもたくさん作らせます。食糧の輸送に役立つからです。

孔明は、王平軍に魏兵のかっこうをさせて、敵の木牛流馬を奪うように命じます。それを知った郭淮は追撃します。そこで王平たちは木牛流馬の舌を左に回します。

そうとは知らぬ郭淮、車がまったく動かなくなったのに動転します。そこへ、魔神のような服装をし、腰のひょうたんから怪しげな煙をだす張嶷軍が現れます。

車が動かなくなったのも魔神のせいかと、兵たちは怯えて戦いません。

魔神たちは舌を右に回して、車を動かして兵糧を持って行こうとします。郭淮は攻撃を命じますが、兵たちの士気は低いまま。

そこへ魏延、姜維、王平の軍が攻撃してきます。このままでは北原が奪われると、司馬懿に使者が飛びます。

司馬懿は廖化軍に襲われ、張翼軍も加わります。司馬懿は単騎逃げますが、そのさきには分かれ道がありました。後ろからは廖化が迫ってきます。

司馬懿は冠を道に捨てて、逆の道に走りました。廖化は後から来て、冠の落ちている方に進んでしまいます。

このとっさの機知によって、司馬懿は命拾いをしました。ああ、廖化が逆に行っていれば、もう魏は滅亡したでしょう。

ともあれ、多大な戦利品と戦勝に湧く蜀軍。しかし、一人寂しい思いをしていたのは孔明でした。この程度の勝利で喜ぶ将たち。また関羽なら冠の落ちていない方に行っただろうと思ったのです。

将たちが小粒になってしまったことを悲しく思っていたのでした。

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呉の苦闘

巣湖(そうこ)についた曹叡は、敵は確かに船などは充実しているが、平和に慣れており士気が高くないと考えます。そして、長旅で魏軍は疲れているから今日は攻めて来ないと呉が考えていると読みます。

そして、張球(ちょうきゅう)と満寵(まんちょう)が呉に夜襲をしかけます。これに驚いたのが諸葛瑾軍。甚大な被害を出します。

やはり孔明の兄の諸葛瑾は優秀な人物でしたが、弟にはかないません。この敗戦を聞いた陸遜も、敵はあなどれないと思い直します。

やはり曹叡は曹操の血を引き、戦上手でした。これを蜀の劉禅と比べると、主君の能力の差は歴然としています。

陸遜は、孫権に曹叡の背後をつくように手紙に書いたのですが、露見してしまいました。魏はいよいよ守りを固めます。

陸遜は諸葛瑾に、呉は撤退すると伝えます。ただ、急いで引き揚げれば魏が攻撃してくるので、ゆるゆると行います。そして陸遜は、おとりとなって襄陽に向かいます。

しかし曹叡はさすが、陸遜がおとりだと読んでいました。こうして守っている間に、呉は撤退を完了し、曹叡も陸遜の兵法を称えたのです。

蜀にしてみれば、もう少し呉に頑張ってもらいたかったですね。孔明の兄貴がちょっと頼りなかったです。よもや夜襲はないだろうと断定せず、ある程度でも警備を強化していればよかったのではないでしょうか。

やはり、曹叡が言ったとおり、平和に慣れてしまった呉の弱みだったともいえます。


増長する魏延

孔明は兵士に耕作させて(屯田兵)長期戦に備えますが、それを魏延は声高に批判します。

孔明もさすがに、このまま魏延を放置してはおけないと考えます。しかし、魏延を誅殺すれば、彼の部下たちが反感を抱いて魏に走る可能性もあります。

孔明は馬岱を呼んで、コロ谷に秘密の布陣を敷くことを命じます。

孔明も例えば馬良が生きていたら、彼に相談することもできたでしょう。しかしもはや彼の回りには優秀な人材が乏しく、孤独だったと思います。

孔明は高翔に、木牛流馬をわざと奪われるように命じます。他の将には、司馬懿以外の部隊なら逃げるように言い渡します。

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仲達動く

147ページ、6度も北伐を重ね、魏延だけでなく、兵たちにも不満を持った者はいたと思います。これは孔明の責任ではなく、李厳などの裏切り行為や、劉禅の愚かさが原因だったのですが。

孔明もやむなく戦いを急いだわけです。

司馬懿も夏侯淵の息子たちの進言を容れ、出撃を許します。魏軍は連戦連勝、食糧を分捕ったり敵兵を捕まえたりします。

司馬懿は孔明が魏は当分打って出ないと判断し、屯田のために兵を分散させ、油断していると知ります。また、コロ谷を城として整備し、ここに兵糧を何年分も運び込んでいることを知り、早く叩くべきだと考えます。

もちろんこれは、固く守って出てこない司馬懿を油断させ、誘い出す計です。


壮大な計

司馬懿の部隊はコロ谷に急いで進みます。ここには敵の城が作られており、兵糧もたくさん貯蔵されているからです。司馬懿の読み通り、ここの兵は手薄でした。

そこに現れたのは小勢の魏延。司馬懿軍は魏延と戦い、魏延は敗走します。勢いに乗ってコロ谷に入った司馬懿。

彼は早速兵糧を焼き払おうと考えますが、蔵に柴などが置いてあるのをみて、不審に思います。ついに孔明の狙いに気づいた司馬懿は急いで脱出しようとしますが、そこに火の手が。

大きな音と共に爆発し、入り口が岩で埋まってしまいます。そして次々と火が投げ入れられ、火薬に引火します。もはや逃げられず、司馬懿もしょせん孔明はかなう相手ではなかった、と死を覚悟します。

魏延も逃げ出す前にここに閉じ込められ、孔明が自分も殺そうとしたと気づきます。魏延の名言「腰抜け野郎どこにいる。姿を見せい」。気持ちはわかります。


事を成すは天にあり

孔明の完璧な作戦でした。蜀軍が弱体化したと思わせて慎重な司馬懿たちを誘い出し、また油断させます。

そして孔明がいつもの通り祁山を取ろうとすると見せかけて、魏軍を誘います。加えて、コロ谷に本格的な陣を築き、食糧を運び込むことで、いよいよ蜀は長期戦を覚悟していると思わせたわけです。

司馬懿にすれば、ここに強固な拠点ができてしまえば後々困ります。そこで、自軍がここを急襲して食糧を焼き払ってしまおうと考えたのです。

かくして司馬懿はコロ谷に誘い込まれ、出られなくなったところで火計に遭いました。おまけに反抗的な魏延も焼き殺すという完璧な策です。

これで孔明の魏との苦闘もほぼ終わるはずでした。司馬懿のいない魏など相手ではありません。国内の不満分子も、魏に勝てるとなれば黙るはずです。

そうして長安を取り、洛陽を落とせば、魏は瓦解します。あとは魏の領地をどんどん奪い、のちに呉を攻めれば蜀の天下統一がなったでしょう。

ところが、ここでなんという天の采配か、雨が降ってしまいました。せっかくの火も消えてしまい、司馬懿親子はなんとか逃げ出します。

蜀の別働隊が渭水の南にある敵陣を落としていましたが、司馬懿たちは浮橋を通って北に逃げてしまいました。結果、魏に多大な損害が出ましたが、司馬懿を殺すことはできなかったのです。

孔明は「事を成すは天にあり。ついに長蛇を逸せり」と嘆きました。

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